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血液検査でがんはわかる?検査対象のがんの種類・費用を解説

がん検査

血液検査でがんはわかる?検査対象のがんの種類・費用を解説

  • 公開日: 2023.10.10
  • |
  • 最終更新日: 2023.10.12
質問者

質問者

今年は、母が大腸がん、義父が胃がんと次々にがんが見つかって…。私もがんにならないか心配です。

先生

先生

日本人の2人に1人はがんに罹患することがわかっています。誰でもがんになるリスクはあるので、1年に1回はがん検診を受けておきたいですね。

質問者

質問者

退職したので健康診断を受ける機会がなかなかなく…。血液検査で簡単にがんを調べられたりしないんでしょうか?

先生

先生

現状では血液検査だけでがんを早期発見することは難しいですが、がんの発見に役立つ血液検査はいくつかあります。

初期のがんでは血液検査の数値に変化が見られないことも多く、がんの早期発見に血液検査を用いるのは難しいと言えます。

しかし、血液検査によってがんの可能性やリスクを知ることは可能です。特に近年、複数のがんのリスクをまとめて調べられるマイクロRNA検査が開発されたことで、血液や尿を用いたがん検診の実用化が期待されています。

ここでは、がんに関係する血液検査の種類や費用、検査の精度などについて詳しく解説していきます。

この記事でわかること

  • 血液検査のみでがんの早期発見は難しい
  • 腫瘍マーカーは早期のがんではほとんど変動しない
  • 膵がんで膵酵素は上昇するが変動しないこともある
  • ABC検診は胃がんの罹患リスクを評価できるがA群でも胃がんになることもある
  • 生殖細胞系列遺伝子検査は一部の遺伝性腫瘍がわかる
  • 血液を使ったマイクロRNA検査はまだ実用化に至っていない
  • 尿を使ったマイクロRNA検査は実用化されている

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がんは血液検査でわかる?がんを見つける確率・精度を解説

質問者

質問者

がんが血液検査でわかるなら、簡単にがんが見つかって早めに治療ができますよね。

先生

先生

あくまで血液検査は、無症状の人に対してがんの可能性がないかをチェックするための「スクリーニング検査」(*1)のひとつです。がんの可能性はわかりますが、本当にがんがあるかはわからないのです。

質問者

質問者

なるほど。では、血液検査でがんの可能性がわかっても、実はがんではなかったということもあるんでしょうか?

先生

先生

あります。一般的なクリニックで大腸がんに関連する腫瘍マーカー検査を行った結果、大腸がんの可能性を指摘された人が100人いた場合、実際に大腸がんである人は4人程度という結果が出ています。(*2)

このように、血液検査だけでがんがわかる確率・精度は高くありません。どこにがんがあるかも、大きさや進行度もわからないのです。
だからといって血液検査が必要ないわけでなく、ほかの検査と合わせて行うことで診断の精度を上げることができます。

がんを調べる血液検査の種類と費用

一般的にがんを調べる血液検査というと、腫瘍マーカーを指すことがほとんどですが、膵酵素やABC検診マイクロRNAを用いた血液検査などもあります。それぞれ、どのような検査なのかくわしく見てみましょう。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーとは、がんの発生に伴って作られるタンパク質などの物質(腫瘍マーカー)の変化を調べる検査です。腫瘍マーカーにはさまざまな種類があり、どこにがんができたかによって特徴的に増えるものもあります。(*3)

検査対象となるがんの種類

主ながんと関係性の高い腫瘍マーカーは下表のとおりです。

がん種 マーカー
甲状腺がん CEA
非小細胞肺がん CYFRA21-1、CEA、SLX、CA125、SCC
小細胞肺がん NSE、ProGRP
食道がん SCC、CEA
胃がん CEA、CA19-9
大腸がん CEA、CA19-9、p53抗体
肝臓がん(肝細胞がん) AFP、PIVKA-Ⅱ、AFP-L3
胆管がん CA19-9、CEA
膵臓がん CA19-9、Span-1、DUPAN-2、CEA、CA50
膀胱がん NMP22、BTA
前立腺がん PSA
乳がん CEA、CA15-3
子宮頸がん SCC、CA125、CEA
卵巣がん CA125

検査費用

腫瘍マーカーは人間ドックの際にオプション検査として利用でき、検査費用は1項目3,000円程度です。
自宅で検査できる市販のキットもあり、約20,000円となっています。

検査の精度

腫瘍マーカーが高値でも、関係性の高い臓器のがんではない場合や、腫瘍マーカーが低値であってもがんである場合もあります。そのため、腫瘍マーカーをすべて検査すれば、がんの有無や場所がわかるというわけではないのです。

ただし、腫瘍マーカーのうち、PSAは前立腺がんの早期発見に有効とされています。(*4)しかしながら、PSA検査を実施することで肝心な死亡率減少効果があるのかどうかについては現状確かな結論が出ておらず、これからの研究が待たれています。

また、腫瘍マーカーが高値でもがんではない場合があり、以下のような場合にも腫瘍マーカーが高くなります。

  • 肝障害
  • 腎障害
  • 飲酒
  • 喫煙
  • 薬の影響
  • がん以外の病気

腫瘍マーカーだけではがんの診断はできないため、画像診断やほかの検査と併せて行う必要があります。

腫瘍マーカーの詳細については「がん検査の精度とは?感度・特異度・陽性的中率から考える」をご覧ください。

膵臓がんのリスクを調べる膵酵素 (すいこうそ)

膵酵素とは、膵臓で作られる酵素で、アミラーゼやリパーゼ、エラスターゼ1などがあります。(*5,6)

検査対象となるがんの種類

膵酵素は、膵臓がんの検査に用いられます。膵臓がんになると、血液中のアミラーゼとエラスターゼ1が高値を示す場合があり、その確率は20~50%といわれています。(*7)

検査費用

保険適用であれば約1,000円~4,000円です。自己負担の場合には、約1万円になります。

検査の精度

膵臓がんがあっても高くならない場合や、急性膵炎や慢性膵炎、肝硬変などの病気が原因で高くなる場合もあります。
そのため、膵酵素の検査だけで、膵臓がんの有無を診断することはできません。

胃がんのリスクを調べるABC検診

ABC検診とは、ペプシノゲン検査とヘリコバクターピロリ抗体検査を併用した検査方法です。(*8)検査結果がA・B・C・Dで判定されるため、ABC法と呼ばれています。(*9)胃がんリスク層別化検査ともいいます。

検査名 検査内容
ペプシノゲン検査 血液中のペプシノゲンⅠとペプシノゲンⅡという物質の値を元に、胃粘膜の萎縮を診断する検査です。陽性の場合、胃粘膜が萎縮している可能性が高く、胃がんのリスクが高い状態を示します。
ヘリコバクターピロリ抗体検査 過去もしくは現在のヘリコバクターピロリ菌の感染状況を調べる検査です。ヘリコバクターピロリ菌の感染は胃粘膜の萎縮を引き起こし、胃がんのリスクを高める要因となります。

検査対象となるがんの種類

ABC検診は、将来の胃がんのリスクを調べるために用いられます。

検査費用

ABC検診は保険適用とはなっていないため、全額自己負担となります。
医療機関によって異なりますが、約3,500円~5,000円です。

検査の精度

ABC検診では、各検査の結果によって下表のように分類されます。

                    
ペプシノゲン検査
陰性 陽性
ヘリコバクターピロリ抗体検査 陰性 A C
陽性 B D

A<B<C<D の順に胃がんリスクが高くなりますが、A群でも過去にピロリ菌に感染したことがある人や現在も感染している人が含まれている場合があります。胃がん患者さんの約10%がA群であるという報告もあります。(*10)

あくまでも、ABC検診は胃がんになりやすい状態かを判定するための検査であって、A群だから胃がんにならないというわけではありません。
また、ABC検診だけで胃がんの有無を診断することはできません。診断には、胃内視鏡検査 (胃カメラ) 胃X線検査 (バリウム検査)などの画像検査が必要です。

ABC検診の詳細については「一生に一度?胃がんリスク層別化検査「ABC検診」とは」をご覧ください。

生殖細胞系列遺伝子検査(遺伝学的検査)

がんは、加齢やタバコ、過度な飲酒などの生活習慣や環境的な要因によって遺伝子が傷つくことで発生することが多い病気です。しかし、がんになりやすい体質(生殖細胞系列の遺伝子変異)が受け継がれ、がんが発症する場合(遺伝性腫瘍)もあるのです。(*11)

生殖細胞系列遺伝子検査は、遺伝性腫瘍のリスクである生殖細胞系列の遺伝子変異を調べる検査です。生殖細胞系列の遺伝子変異は、親から子へ50%の確率で受け継がれます。(*12)

もし家系的に、何回もがんになった人がいる、若くしてがんになった人がいる、特定のがんが多いなどあれば、生殖細胞系列の遺伝子変異があるかもしれません。遺伝性腫瘍はがん全体の5~10%程度と頻度は決して高くない病気なので、過度な心配はいりません。(*12)

検査対象となるがんの種類

生殖細胞系列遺伝子の変異による主ながんは下表のとおりです。

病名がんの部位
遺伝性乳がん卵巣がん症候群乳がん、卵巣がん
リンチ症候群大腸がん、子宮体がんなど
家族性大腸腺腫症大腸がん
網膜芽細胞腫目のがん
リーフラウメニ症候群骨軟部肉腫など
フォン・ヒッペルリンドウ病脳腫瘍など
ウィルムス腫瘍泌尿器がん
遺伝性黒色腫皮膚がん
MEN1型・MEN2型内分泌の腫瘍

検査費用

特定の条件(がんを発症し、遺伝性乳がん卵巣がん症候群が疑われる場合など)に当てはまる場合を除き、検査にかかる費用は全額自己負担となります。

検査費用は、検査する遺伝子の数によって変動します。
例えば、乳がん、卵巣がん、大腸がん、子宮体がん、膵がん、前立腺がん、胃がん、悪性黒色腫に関連する36遺伝子の解析を行う場合にかかる費用は、約40万円です。(*13,14)

また、「遺伝」という非常に繊細な問題が関わるため、検査前後に遺伝カウンセリングが行われます。1回5,000円~1万円程度の費用が必要です。(*14,15,16)

検査の精度

生殖細胞系列遺伝子検査で調べられる遺伝子は限られており、この検査ではわからない未知の遺伝子変異や遺伝性腫瘍も存在します。
もし、検査で遺伝子変異が見つからなくても、がんになるリスクがまったくないというわけではないのです。

血液一滴で13種類のがんリスクを調べる?マイクロRNA血液検査

マイクロRNA血液検査とは、マイクロRNAの変化を元に、がんなどの病気の早期診断を行う検査法です。

細胞ががん化すると、がん細胞自身やがん細胞を感知した周辺細胞などから、健常時とは違うマイクロRNAが分泌されます。この変化は従来の腫瘍マーカーよりも早く起こるため、より早期でのがん診断が期待されます。過去には血液マイクロRNA検査が一部の医療機関で提供されていましたが、2023年3月にサービスが停止しており、現時点では利用できる血液マイクロRNA検査はありません。しかし現在も血液中のマイクロRNAに関しては盛んに研究が行われています。(*17)

血液を用いたマイクロRNA検査ではなく、尿を用いたマイクロRNA検査はすでに実用化されています。

当社が開発したがんリスク検査「マイシグナル」は、独自技術によってマイクロRNAの発現パターン情報を収集し、分析することでがんのリスク(現在と将来)を判定します。

尿検査なので血液検査のように痛みはなく、自宅で簡単に検査できるので病院や検診センターへの予約や受診も必要ありません。費用も5万円ほどで、大腸がん肺がん胃がん乳がん食道がん膵臓がん卵巣がんの最大7つのがんリスクを一度に調べることができます。

注意点としては、マイシグナルは健康保険の適用外で、自己負担の検査です。あくまでもスクリーニング検査で、病院での診断ではありません。正式な診断のためには、病院で必要な検査を受診してください。また、「現時点でがんのリスクがあるか」を調べる検査なので、基本的には健康診断と同様に定期的な検査が推奨されます。

マイシグナルの検査キットにご興味のある方は、こちらの検査申込みページよりご希望のセットを選択してご購入ください。

まとめ、がん早期発見のためにできること

それではこの記事をまとめましょう。

  • 血液検査のみでがんの早期発見は難しい
  • 腫瘍マーカーは早期のがんではほとんど変動しない
  • 膵がんで膵酵素は上昇するが変動しないこともある
  • ABC検診は胃がんの罹患リスクを評価できるがA群でも胃がんになることもある
  • 生殖細胞系列遺伝子検査は一部の遺伝性腫瘍がわかる
  • 血液を使ったマイクロRNA検査はまだ実用化に至っていない
  • 尿を使ったマイクロRNA検査は実用化されている

血液検査でがんの有無を調べることは現段階では難しいですが、画像診断などと併用することで診断の精度を上げたり、将来のがんのリスクを評価したりすることができます。医療の進歩に伴い、さらに簡単かつ精度の高い検査方法が増えるでしょう。

マイクロRNAを活用した検査キット「マイシグナル」は、尿だけで現在と将来のがんのリスクを調べることができます。自宅で簡単に検査ができるため、がんのリスクが心配な方は一度試してみてはいかがでしょうか。

  • 本記事に記載されている費用は当社(Craif)が独自で調べたものになります。実際の費用は各医療機関にお問い合わせください。

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この記事の著者

広田沙織

看護師 医療ライター兼ディレクター 医療ライターズ事務所メディペン所長 国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)にて看護師として勤務。2016年より医療ライターとして医療関連のWebコンテンツ制作に関わり、1000記事以上の記事を執筆する。2020年に医療ライターズ事務所メディペンを立ち上げ、提携ライターと共にエビデンスに基づいた医療記事の執筆を行う。

この記事の監修者

水沼 未雅

博士(薬学)、薬剤師
京都大学薬学部卒業。東京大学大学院 薬学系研究科にて博士号(薬学)取得。ストラゼネカ株式会社のメディカルアフェアーズ部門にて、新製品の上市準備、メディカル戦略策定、研究企画、学術コミュニケーション等を経験後、Craifにて事業開発に従事。