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一生に一度?胃がんリスク層別化検査「ABC検診」とは

がん検査

一生に一度?胃がんリスク層別化検査「ABC検診」とは

  • 公開日: 2023.07.31
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  • 最終更新日: 2023.10.19
  • #胃がん
質問者

質問者

先日、人間ドックを受けてきました。特に何も異常はなかったんですが、診察してくれた医師からABC検診を勧められまして。私はタバコとお酒、塩辛い食事が大好きでして、問診票を見た医師に、胃がんの危険因子(病気の発生や進行の原因となる要素のこと)があるから胃がんリスク層別化検査「ABC検診」を受けた方がいいですよって言われたんです。

先生

先生

そうだったんですね。胃部レントゲン検査(バリウム検査)では何も異常がなかったということですよね?

質問者

質問者

はい、異常なしでした。それでもやはりABC検診を受けた方が良いのでしょうか?

先生

先生

そうですね。胃部レントゲン検査では食道・胃・十二指腸の異常を調べます。ただ、胃部レントゲン検査で異常がなかったから「100%安心」というわけではありません。微細な粘膜の色調の変化だけを示すような早期の胃がんは、レントゲン検査で見落とされやすいのです。より精密な検査を希望するのであれば胃カメラ検査を受けるべきでしょう。

一方でABC検診では、現在の胃粘膜の老化度と、将来的な胃がんの発生リスクを評価します。この検診で、胃の状態に合わせた胃がん検診の適切な間隔を設定できるのです。

ここではABC検診の必要性や活用法、判定基準とその後の胃がん予防に対する対策について詳しく解説します。

この記事で分かること

  • ABC検診では胃がんの罹患リスクを評価する
  • ABC検診は保険適応外(全額自己負担)である
  • ピロリ菌感染で発生する萎縮性胃炎が胃がんリスクを高める
  • ピロリ菌を除去することで胃がんの罹患リスクを抑制できる
  • ABC検診では、ピロリ菌抗体価とペプシノゲンの値を基にA~D群に分類する
  • A群<B群<C群<D群の順に胃がんの発生リスクが高くなる
  • 胃薬や抗菌薬の服用、胃の手術歴などにより正確に測定できない場合がある
  • ABC検診は基本的に一生に一度で良く、ピロリ菌除菌治療の前に受ける
  • ABC検診を受けて、医師から定期的な胃カメラ検査の頻度を設定してもらうと良い

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胃がんリスク層別化検査「ABC検診」とは?検査方法と費用

質問者

質問者

ABC検診では胃の老化度と将来の胃がんリスクを評価するってことでしたが、胃の老化度ってどうやって調べるんですか?またそれが胃がんとどう関係があるのかよく分かりません。

先生

先生

そうですね。ABC検診の詳しい検査方法と何を調べているのかについても説明していきましょう。

ABC検診では「ピロリ菌抗体価」と「ペプシノゲン値」を測定し、ます。その結果に基づいて、胃がんの発生リスクが低い群から順にA、B、C、Dの4群に分類します。これにより、自分の胃がんリスクがどの程度かを知ることができます。

質問者

質問者

今回私は医師からABC検診を勧められたのですが、保険適用になるんでしょうか?

先生

先生

残念ながらABC検診は現在保険の対象ではないので、全額自己負担となります。
ただ、勤め先や地域によっては検査費用の一部または全額を負担してくれる場合があります。

一方で、ABC検診の結果、治療が必要になったときは、基本的に保険適用で治療を受けられます。保険が適用されれば医療費控除(年間10万円以上の医療費を支払った場合に受けられる控除)の対象になります。

費用は医療機関によって異なりますが3,500円~5,000円程度です。

また、人間ドックや健康診断のオプションで追加もできるので、タイミングが合えばまとめて受けることもできます。

ABC検診で検査すること #1: ピロリ菌

ピロリ菌(H.pylori)は胃の粘膜に生息する細菌です。アンモニアを生成しピロリ菌自身の周りに分泌して、強い胃酸を中和し胃の中に住み続けています。

ピロリ菌は口から感染し胃の粘膜に炎症を引き起こします。幼少期に感染することが多く、加齢とともに胃炎が少しずつ進行して、胃の粘膜が萎縮する「萎縮性胃炎」を発症します。

萎縮性胃炎は、慢性的に胃の粘膜に炎症が起こる病気(慢性胃炎)で、胃酸などを分泌する組織が縮小し胃の粘膜が萎縮した状態です。これがいわゆる「胃の老化」です。

実は胃がんの多くがピロリ菌感染によって炎症を引き起こした胃粘膜から発生すると言われています。つまり、萎縮性胃炎が進行すると胃がんに罹るリスクが高まるのです。(※1)

一方でピロリ菌を除去することで胃の炎症が改善され胃がんの発生を抑制できることが明らかになっています。(※1)

このような背景から、ピロリ菌感染の有無を調べるためにピロリ菌抗体価を測定します。この抗体価は血液検査で調べることができ、結果は数値で示されます。

ABC検診で検査すること #2: ペプシノゲン

ペプシノゲンとは胃の粘膜で産生される消化酵素ペプシンの基になる物質です。ペプシノゲンは血液中にも放出されるため、血液中のペプシノゲン濃度を測ることで、胃の粘膜が正常に働いているかどうかを評価できます。

胃の粘膜が萎縮や炎症を起こしていると、ペプシノゲンを産生する組織が縮小し、血液中のペプシノゲン濃度も下がります。

特に胃粘膜の萎縮は胃がんの発生原因となるため、萎縮の程度を調べることは胃がんの罹患リスクを評価する上で重要です。(※2)

ペプシノゲン濃度(ペプシノゲン値)の測定も血液検査で調べることができます。

質問者

質問者

血液検査をしなくても、胃が慢性的に萎縮していれば何か自覚症状って現れそうですが、気づかないのでしょうか?

先生

先生

胃萎縮の半数近くが無症状と言われています。ただ、胃が委縮すると胃酸の分泌が減るので食べ物が十分に消化されず、胃もたれや食欲不振につながることがあります。時には、腹痛や嘔吐、胸やけ、吐き気といった症状も見られます。

このような症状が続くときには早めに医療機関を受診しましょう。

ABC検診の対象外?正確な判定結果が出ない人とは

ABC検診は誰もが受けられる検査ではありません。

ABC検診の対象外、または受けても正確な結果が得られないことのある方は以下の通りです。

ABC検診の対象外の可能性・過去にピロリ菌の感染有無を調べたことがある
・ピロリ菌除菌治療を既に受けた
正確な結果が得られない可能性・食道・胃・十二指腸に関する疾患で、経過観察中あるいは治療中
・胃を切除した
・胃がんの手術を受けた
・プロトンポンプ阻害薬(胃酸を抑える薬)を2ヶ月以内に服用した
・抗菌薬を長期間服用した
・腎不全または腎機能障害がある

ABC検診は原則、成人以降は生涯に一度で良いとされています。ただ、これに当てはまらないこともあるので次の項目で詳しく説明します。

また、食道・胃・十二指腸に疾患がある、あるいは治療中の場合、胃の粘膜の状態が変化しやすくペプシノゲンの値が影響を受ける可能性があります。

同様にプロトンポンプ阻害薬や抗菌薬の服用によりピロリ菌抗体価やペプシノゲン値が変動することがあります。

質問者

質問者

ピロリ菌を除去しているとなぜ対象外となるんでしょうか?除菌してても将来の胃がんが心配で、評価してもらいたい人もいると思うのですが。

先生

先生

ピロリ菌に感染していた期間が長いほど胃がんを発生するリスクは高まります。しかし、ピロリ菌を除去していると、ピロリ菌抗体価は低くなってしまいます。このため、胃がんの罹患リスクの低いA群に分類される可能性が高まります。本来A群はピロリ菌に一度も感染したことのない人が分類されるグループです。つまり、ピロリ菌を除去した人がABC検診を受けてA判定をもらっても、それは間違いになってしまうわけです。

質問者

質問者

ということは、ピロリ菌除菌治療の前にABC検診を受けておくべきなんですね!ところで、腎不全や腎機能障害はなぜ検査に影響を与えるんですか?

先生

先生

腎臓は血液中の老廃物や体内の余分な水分を取り除く役割を担っています。腎臓の機能が低下すると排出が上手くできず血液中の物質の濃度が変わってしまうからです。そうなると、血液ではピロリ菌抗体価やペプシノゲン濃度を正確に測れなくなってしまいます。

ただ、ここで挙げた例は全てに当てはまるわけではありません。医師とよく相談してからABC検診を受けるかどうか決めましょう。

一生に一度、それとも毎年受ける?ABC検診の年齢と頻度とは

質問者

質問者

ABC検診についてネットで調べると「一生に一度」で良いとするサイトや「5年毎の受診」を勧めるものもあるのですが、一体何が正しいのでしょうか?

先生

先生

原則生涯一度で良いとされています。ただし、検査結果によってはA判定とB判定のボーダーライン上にあって変動する可能性があるので、分類が難しいケースがあります。そのため、A群の場合は5年置きに再検しても良いとされているんです。(※3)ただ、結果が良い方に変わったことで「胃がんのリスクが低下した」という考えは間違いですので注意しましょう。

また、時々、胃カメラバリウム検査が嫌で代わりにABC検診を毎年受ける人がいるのですが、これも間違いです。ABC検診では現在胃がんに罹っているかどうかは分かりません。

あくまで将来的な胃がんの罹患リスクを評価する検査であり、胃がん検診に代わるものではないことをよく理解し、誤解のないようにしましょう。

質問者

質問者

一生に一度であれば、ABC検診は何歳で受ければいいのでしょうか?

先生

先生

特に定められていませんが、成人以降で健康診断や特定検診の際に受けることが推奨されています。(※3)
近年、中学生を対象にピロリ菌検査を実施する自治体も増えています。(※4)未成年の場合、胃粘膜萎縮が進んでいるケースは少ないのでピロリ菌感染の有無だけを確認し、感染しているときは除菌治療を進めます。

ピロリ菌の感染は胃がんの最も重要なリスク因子です。除菌することで胃がんの罹患リスクを抑えることが科学的にも証明されています。(※5)

ABC検診の方法・やり方・流れと基準値

質問者

質問者

ABC検診はいつもと同じ血液検査ですよね?すぐに終わりますか?

先生

先生

はい。通常の血液検査と同じで、一度の採血だけです。1週間ほどで結果が出ます。ABC検診では食事制限などはありません。

それぞれの基準値は以下の通りです。

・ピロリ菌抗体価 基準値(※6)

3U/ml 未満

ピロリ菌抗体価が3U/ml 未満では「陰性(-)」となり、ピロリ菌に感染したことがないことを意味します。

「3U/ml以上 10U/ml 未満」は、抗体価としては陰性高値で、ピロリ菌に感染していた、あるいはピロリ菌に感染していることを意味します。

「10U/ml以上」は、「陽性(+)」で、現時点でピロリ菌に感染していることを意味します。

・ペプシノゲン値 基準値(※7)

ペプシノゲン値はペプシノゲンⅠとペプシノゲンⅡの2種類の濃度を測定します。

ペプシノゲンⅠ値が70.1ng/ml以上 または Ⅰ/Ⅱの比が3.1以上

基準値を満たさない場合(ペプシノーゲンⅠ値が70.ng/ml以下、かつ、 Ⅰ/Ⅱの比が3以下)は、「陽性(+)」と判定され胃の萎縮が進んでいることを意味します。

ABC検診の判定基準

ここでは、どのような基準でABC判定を下すのか、それぞれの胃の状態や胃がん発生リスクについて説明します。

まずは以下の表をご覧ください。

それぞれ胃の状態や胃がんの発生リスクが異なることが分かります。A~D群をまとめると以下のように示されます。

A群健康な胃であり、胃がんに罹患リスクは非常に低い
B群ピロリ菌は存在する(存在した)が、胃粘膜の萎縮は軽度
C群ピロリ菌が存在し、胃粘膜の萎縮が進んでいる
D群ピロリ菌が生息できないほど胃粘膜の萎縮が進行しており、胃がんの罹患リスクが高い

それぞれ詳しく解説しましょう。

A群 (A判定)

A群はピロリ菌抗体価(-)、ペプシノゲン値(-)です。ピロリ菌に一度も感染したことがなく、胃粘膜の萎縮もない人が、基本的に入ります。上図の通り、A群の中で1年間に発生する胃がんの頻度はほぼゼロと言われています。
A群はA~E群の中で最も胃がんの発生リスクが低いグループです。ある研究データによると、A群に比べB群では胃がんの発生率が8.9倍、C群では17.7倍、D群では69.7倍高くなることが示されました。(※8)つまり、A群<B群<C群<D群の順に胃がんの発生率が高くなることを意味しています。

質問者

質問者

A群とD群で70倍近くも発生リスクが異なるなんて驚きました!A判定が出たら安心ですね。

先生

先生

そうとも言い切れません。A群は確かに発生リスクは確かに低いですね。でも、「胃がんではない」「胃がんに罹ることはない」という意味ではないんです。実際にA群に入った人に胃カメラやX線検査を実施すると胃炎や胃萎縮が見つかることがあります。

質問者

質問者

ということはこの分類はあまり当てはまらないということでしょうか?

先生

先生

どんな検査も100%正確な結果が出るわけではありません。また、A群の中にはピロリ菌に感染している人や除菌した人を含んでいたり、B群のボーダーに近い人もいます。A判定が出ても一度は胃カメラを受け、胃の状態をきちんと確かめてもらいましょう。

B群 (B判定)

B群はピロリ菌抗体価(+)、ペプシノゲン値(-)です。ピロリ菌に感染していて胃萎縮のない人が、基本的に入ります。上図の通り、B群で1年間に胃がんが発生する頻度は1000人に1人程度と言われています。

B判定のときは定期的に胃カメラ検査を受けましょう。

質問者

質問者

どのくらいの間隔で検査を受ければいいのでしょうか?

先生

先生

これについては特に定められていません。胃の状態、年齢、胃がんの危険因子などを総合的に見て、適切な間隔を医師に設定してもらいましょう。

なお、B判定の場合、まずは胃カメラ検査で胃の状態を確認します。さらにもう一度他のピロリ菌検査を受け、陽性が確認されたときは、胃がんの発生リスクを抑えるために除菌治療を受けます。この場合、胃カメラもピロリ菌除菌治療も保険が適用されます。

C群 (C判定)

C群はピロリ菌抗体価(+)、ペプシノゲン値(+)です。ピロリ菌に感染していて、さらに胃萎縮が進行している人が入ります。胃がんの発生リスクも高く、上図の通り、C群で1年間に胃がんが発生する頻度は500人に1人程度と言われています。

C群もB群と同様、まずは胃カメラ検査で、胃の状態を調べます。さらに他のピロリ菌検査を行い、陽性が確認されたら除菌治療を受けます。

質問者

質問者

ピロリ菌の除去は必ずしも上手くいくわけではないんですよね?失敗したときはどうなるんでしょうか?

先生

先生

ピロリ菌除去では胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗生物質、合わせて3種類の薬を服用します。ほとんどの人が一度の治療でピロリ菌の除去に成功しますが、様々な原因で除菌に失敗することがあります。例えば、
・薬をきちんと服用できていない(飲み忘れなど)
・抗生物質に耐性のピロリ菌がいる
・飲酒や喫煙の影響で胃酸分泌が促進され、抗生物質の効きが悪い
などです。

1次除菌に失敗したときは抗生物質の種類を変えて2次除菌を行います。2次除菌にも失敗した場合は自由診療(保険適応外)でもう一度除菌治療を受けることができます。

質問者

質問者

C判定の人は胃がんの罹患リスクが高いんですよね?でも除菌に成功すればリスクが抑えられるわけですから胃カメラの頻度も減らせるのでしょうか?

先生

先生

いいえ、それは誤解です。ABC検診では、ピロリ菌を除去したからといって判定が変わることはありません。だから一生に一度で良いと言われているのです。除菌によって胃がんを発生するリスクは下がりますが、ピロリ菌に感染していたので胃がんに罹る可能性はあります。検査後の胃カメラの頻度については医師からアドバイスをもらいましょう。

D群 (D判定)

C群はピロリ菌抗体価(-)、ペプシノゲン値(+)であり、胃萎縮が進行して腸上皮化成(胃の粘膜に腸の粘膜をつくる細胞が現れる病変)のためにピロリ菌自体が胃にすめなくなった状態を指します。胃がんの発生リスクはC群より上がり、上図の通り、D群の中で1年間に胃がんが発生する頻度は80人に1人程度と示されています。

質問者

質問者

D判定が出たらかなり危ない状態ですね。ピロリ菌の除去以外に何か治療をしなくてよいのですか?

先生

先生

胃カメラで胃の状態を確認して、その結果に合わせた治療を進めます。例えば、胃炎があれば胃薬を処方します。また、暴飲暴食や刺激物、飲酒・喫煙などの生活習慣を改める必要があります。
最も重要なのは、胃がんを早期発見するために胃カメラ検査を定期的に必ず受けることです。D判定の場合は1年に一度の胃カメラ検査が推奨されるでしょう。

E群 (E判定)

ピロリ菌の除菌治療を受けた人は全てE判定となります。除菌により胃粘膜の萎縮が改善され、胃がんの発生リスクは0.34倍に低下すると報告されています。(※9)

E判定でも、上図の通り、1年間に胃がんが発生する頻度は500人に1人程度と示されています。

質問者

質問者

胃がん発生リスクはC群と変わらないってことですね。でもそもそも除菌群はE判定になることが分かっていたらABC検診を受ける意味ってあるのでしょうか。

先生

先生

その通りで、ABC検診を受けても意味がありません。分類上E群を設けているだけなので、ピロリ菌の除菌治療を既に受けた人はABC検診を受ける必要はありません。E群に該当する場合は、医師に勧められた間隔で胃カメラ検査を受けるようにしましょう。

検査の結果を元に、次はどうしたらいいの?

質問者

質問者

私のようにピロリ菌の除菌治療を受けたことが無く、胃がんの危険因子も多い場合、ABC検診を受けて自分の胃の状態や胃がんの発生リスクを知っておいた方がいいですね。ただ、D判定が出たらどうしようかと不安です……。

先生

先生

「D判定=胃がんに罹る」というわけではありません。まずはピロリ菌の除菌治療を受け、生活習慣を改めれば胃がんの罹患リスクを抑えられます。また、胃カメラ検査を受けて実際に胃の中を調べてもらうことも重要です。

一方で、A判定が出たからといって胃がん検診を受ける必要がない、というわけではありません。

その人の状態に合った適切な間隔で胃がん検診を受けるようにしましょう。胃がん検査については以下の記事で詳しく解説しています。

胃がん検査は何歳から?胃がんの症状・検査方法・頻度・費用を解説

まとめ、胃がん早期発見のためにできること

それではこの記事をまとめましょう。

  • ABC検診では胃がんの罹患リスクを評価する・ABC検診は保険適応外(全額自己負担)である
  • ピロリ菌感染で発生する萎縮性胃炎が胃がんリスクを高める
  • ピロリ菌を除去することで胃がんの罹患リスクを抑制できる
  • ABC検診では、ピロリ菌抗体価とペプシノゲンの値を基にA~D群に分類する
  • A群<B群<C群<D群の順に胃がんの発生リスクが高くなる
  • 胃薬や抗菌薬の服用、胃の手術歴などにより正確に測定できない場合がある
  • ABC検診は基本的に一生に一度で良く、ピロリ菌除菌治療の前に受ける
  • ABC検診を受けて、医師から定期的な胃カメラ検査の頻度を設定してもらうと良い

日本人男性の10人に1人、女性の21人に1人が一生のうちに胃がんと診断されています。さらにがんによる死亡数では、男性第3位、女性第5位という決して他人事とは思えない身近な疾患です。(※10)

一方で胃がんは早期発見すれば根治が期待できます。(※11)

ABC検診を受けて、胃がんの罹患リスクを評価してもらいましょう。その結果を基に適切な間隔で胃がん検診を受け、胃がんの早期発見に努めましょう。

胃がん検診に加えてマイシグナルによる尿検査もおすすめです。マイシグナルでは尿中のマイクロRNA(細胞間のコミュニケーションを担う伝達物質の1つ)を測定することで現在胃がんに罹っているリスクを評価できます。

マイクロRNAはがん細胞の存在により増減することが分かっています。マイシグナルは独自技術によりマイクロRNAの発現パターン情報を収集し、分析することでがん種毎のがんのリスク(現在と将来)を判定します。

胃カメラやバリウム検査による苦痛や不快感が無く、自宅で簡単に受けられる点が大きなメリットと言えるでしょう。

マイシグナルの詳しい解説はこちらから。

  • 本記事に記載されている費用は当社(Craif)が独自で調べたものになります。実際の費用は各医療機関にお問い合わせください。

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この記事の著者

太田知見

医学修士・薬剤師・メディカルライター
神戸大学医学研究科を卒業後、大手化粧品会社の研究開発部に勤務。その後、臨床薬剤師の経験を積み海外へ移住。現在はメディカルライターとして製薬会社やバイオベンチャー企業のライティング業に従事している。

この記事の監修者

市川裕樹

博士(薬学)、薬剤師、名古屋大学 未来社会創造機構 客員准教授
東京大学大学院 薬学系研究科にて博士号取得。ケミカルバイオロジーを専攻し研究に携わる一方、米国のNPOにて開発途上国への医療テクノロジー導入も支援。2013年7月にバイエル薬品に入社。MR、全社プロジェクトのPMO、マーケティングと経営企画のマネジャーに従事。Craif株式会社最高技術責任者(CTO)、名古屋大学 未来社会創造機構 客員准教授としてリキッドバイオプシーの研究開発をリード。